2012年12月31日月曜日

開運cobalt-blue trout

2012年も今日で終わり、何かと区切りを付けたがる人類をマス類が嘲笑する声が聞こえてきそうであります。彼らはきっと言うでしょう、日々が連続する事が肝要で、特別な日など存在しないのだと。釣人との知恵比べに敗する事のないよう緊張感をもって日々生きて行く、嗚呼その姿の何とけなげな事か。

そのマス類に毎日接している小生は、与えられた1日を精一杯生ききる事を彼らから学ばなければいけない。暮も正月も無い、明日に何が起きるかわからない事も震災の重い経験から学ばなければいけない。しかし学習しない小生は努力より神頼みを優先し、何も成就しないまま年が暮れていく事となりました。

小生と違って聡明な諸兄におかれては多くの努力と少しの神頼みをもって、更なる飛躍の1年をお迎えになられる事をお祈り申し上げます。当Walton Gardenの60㎝のコバルトブルーのトラウトがその一助と成り得ますれば幸いに存じます。

2012年12月30日日曜日

Lady Baba

今年も残りわずか、ドタバタの世情のまま年が過ぎて行きそうです。新政権には思う所多々ありますが、総理におかれては正露丸でも握りしめて退路を断つ覚悟で臨んでもらいたいものであります。

ところで年始のWalton Garden、大型ニジマスが好評でありますので、これ以上のご奉仕は不要かと存じますが、正月三が日はささやかな企画をご用意の上諸兄のご来店をお待ち申し上げます。過去に多様な企画をご提供し、成就されたお客様には割引券等をご進呈して参りました。大イワナを釣った方に割引券、放流全魚種を釣った方に金券等の企画でありました。さて我に変えるとフツフツと疑念が込み上げてきます、いい思いをした方に更に恩恵を差し上げる事はいかがなものか。逆であってしかるべき。

2尾のコバルトブルーのRainbow Troutを放流します。たった2尾と申されるな、種苗生産に専業の同業者によればその出現率は1,000万尾中1尾程度、孵化等の環境要因にも左右される事は多いそうだが、少なくとも分母が7ケタである事には間違いなくアルビノとは比較にならず、しかもこれを大型に育成するのは極めて困難だそうである。かくなる個体の2尾を用意しました、宝くじ一等の確立より高いのであります。この希少な個体を栄えある年初に釣る、釣った方のその1年は絶頂の極まる事は間違いありません。

そこでこの60㎝のコバルトを釣った方には釣料金の他に百万円の加算金を申し受けます、と申したい所でありますが金員はご遠慮いたし、店主に一本のコーヒーを申し受ける事とします。さてこのババをひくのはどなたでしょうか、笑止千万なイベントであります。

2012年12月28日金曜日

Glory glory,晴レルヤ!

今日まで本業を絡めて七転八倒の小生、明日から正月連休の始まりと言うのにマス類の準備以外は何もできていません。取り急ぎ営業のご案内を申し上げます。明日の初日の天気が好転することを願うばかりです。
T.Hatchery共々年末年始無休。(大晦日、元旦も営業)
70㎝級の大物放流、驚愕至極。(期間中1000尾の放出)
W.Garden 密かな企画有り。(明日お知らせ)
T.Hatchery 大晦日に年越し蕎麦の無料サービス有り。

2012年12月20日木曜日

T.Hatchery 23日(日曜)全面Open

紆余曲折のT.Hatdheryですが、この日曜日にリニューアル オープンします。
藻に悩まされ続けた奥の池、掘り下げました。水深1.5~2.0m、いい感じに仕上がりました。Walton Gardenでご好評を賜っている大型魚をたっぷり含む魚群を用意し、皆様のご来店をお待ち申し上げます。

日々ごひいきのお客様にはご拝顔の上ご挨拶申し上げるべきでございますが、まずはブログ中をもってご案内させていただきます、店主拝。

2012年12月15日土曜日

主権は国民に在り

国家の行く末を決めかねない選挙が行われる本週末に、釣場の釣果情報等なぞ書き記すのはおこがましいと存じます。亡国の悲哀が加速するのか否かは、放流効果の是非と同じくらいの強い関心があります。
幕末の機運を想わせる名称の団体もあるようですが、投獄や暗殺の危険の中で国を憂えた志士達の姿勢には遠く及ばない訳ですから、もっとおごらず、国民に選んでもらった事に謙虚に、国民主権の原則を忘れず、その身の丈に応じた仕事をしてもらえばいいと思います。

さすれば、釣場の主権は何処に。有料の釣場なので当然釣人に在ります、では主役は何処に。マス類であろうと考えます。この主役、釣人を魅了する事につけては人類の及ぶところではありません。打算に裏付けされない魅力、これが肝要なのです。渦中の人々には分からないようですが。




2012年12月7日金曜日

大鱒潜淵

50㎝級200尾、20㎝級300㎏、この週末の放流Menuであります。代り映えのしないMenuですが、料理と同じで献立を考えるのは大変な事。偏食がちのお子様をお持ちのお母様方のお気持ちが、よく分かる当職であります。

2012年11月30日金曜日

再雇用

ご好評を賜っている大型ニジマスの大放出は継続いたしますが、数も釣りたい由のご希望がございますので小型魚も併せて放流いたします。一度解雇した連中に再度出番を乞う事は、事業主として苦渋の選択であります。しかしお客様の過度に多様なご希望に沿う事も事業主としての責任、背に腹は代えられない、買手市場の本業界の切ない所であります。

明日から12月、文字通り先生が走る月になりました。いい事を誇張して集客をこぞる、票と釣人の差こそあれ本質は釣堀のオヤジと似たようなもの、成就の暁に傲慢にならない分我々の方が上等と存じますが。

2012年11月22日木曜日

イワナ放流

寒くなりました、熱燗が恋しい時節の到来です。されば、アテはイワナの塩焼き、至福の酒宴の始まりです。と言う訳で20㎝程度の食べ頃サイズを放流します。
ニジマスにつきましては、大型魚だけを予定しています。小振りの群は職務放棄がはなはだしいのでリストラしました。

かくしてWalton Gardenの釣池には、50㎝級のニジマスと20㎝のイワナしか潜んでいない事となります。この週末にいづれも釣れなかったお客様のご愁嘆は察するに余りがあります、神のご加護を。

2012年11月16日金曜日

諸行無常

水深3.5m、当池の最深部。マス類の潜む場所を三次元で探る必要があります。難しくもあり、奥深くも、悩ましくもあります。時々刻々と変化する池模様、釣人の常道をほくそ笑むマス類が当池に泳いでいます。

今週末より50㎝前後の大型魚だけを放流する事にしました。上記の水深が演出するその醍醐味はご想像に難くないと存じます。

2012年11月9日金曜日

999

50㎝級をまじえながら今週はよく釣れました。去る土日に放流した群が大活躍、極上のWalton Gardenであります。この手の事にノリがいい小生、この週末もドンと出します大型魚、来週の平日のために、落胆。

水車を撤去した結果マス類が拡散し、場所を選ばず高い釣果が期待できます。放流直後の魚群はしばし群れていますが、程なく散っていきます。離合集散、奇しくも永田町にも同じ輩が多いよう、マス類と同じでは亡国の憂いは増すばかりであります。

2012年10月31日水曜日

十中八九

先週放流した50㎝級のニジマスは大活躍です、出口調査では8割のお客様が遭遇の由。今週末も100尾の放流を予定していますが、2割の不遇に属さない為にも、溢れる煩悩は捨て去ってご来店いただければよろしかろうと存じます。

2号店Trout Hatcheryは、奥の釣池で藻の繁殖が顕著です。手前の釣池は問題ありませんが、ご懸念の方にはご来店をお勧めできません。現在対策を検討中ですが、マス類と酒類以外に大した知見を持合せぬ小生には高いハードルであります。

2012年10月26日金曜日

50㎝級放流

マス類のご機嫌は回復しつつあります。ここぞと1㎏upの個体群を用意しました、今夕に放流します。

来季のアユの商談で秋田県を訪れた。往路に宿をと、紅葉で名所の八幡平の麓と決め込んだ。全山燃えるがごとくの感、神の織りなす配色は人為的な京都のそれとは異質なもの。粋を愛でる都の人々の感性を持合せぬ小生は前者を好む。

2012年10月12日金曜日

無題

朝夕に釣池を眺めていますとマス類の状態が良好な事が確認できますが、釣果となりますといささか悩ましい日々が続いております。気温変動の激しい時節と言う事でご容赦賜りたいと存じます。

2012年10月4日木曜日

T.Hatchery全面Open

心を病んでいる、当池のマス類の事であります。
水温変動の激しいこの時期はただでさえ池水の上下運動が起こりやすいのですが、台風の強風がこれを助長して池水は少し濁っています。その結果マス類は低層に集中し、絶好調とは決して言えません。自然のマス類の生息環境を考えれば、濁りは彼らの好まざるところ。嗚呼、清流に住みたい、青い湖に引っ越したいなぞと嘆いているに違いないと推察しています。
浮遊物の沈殿をうながし安くする為に、今期から水車を撤去しました。連休まであと二日、功を奏する事になりますやら。

思えば濁りの為に先が見えないのは当池のマス類だけではなさそう。外交、増税、原発、基地と暗い世情に身を置く我々国民も同じ、心を病みそうな気配であります。

2012年9月27日木曜日

T.Hatchery半分Open

急に秋になりました、メリハリの効きすぎた季節の変化にマス類はどよめきの感。釣果は朝夕に際立っています。今週末より2号店開店の為、当池の放流は小生の担当となりそうです。数学には及ぶこと無く、算数にもほど遠い小生は原価計算が苦手であります、放流量のタモ加減は客人の背中が指標、無言の背中に負けてついつい出し過ぎる傾向があります。冷静にと言い聞かせているのですが。

今週末から2店舗の営業となり心労多かろう日々が始まります、体調不良を理由に逃げ出す事は許されない立場であります。もっと厚顔にならないとやっていけない職業であります、目指すは渦中の議員諸兄のそれ、思惑とはかけ離れた美辞麗句を平然と公言するそれであります。しかし今のところこの「放流Menu」においては、その行間をお読取りいただく必要はありません。

2012年9月20日木曜日

蝉とトンボ

マス類、池水ともに良好です。朝夕の活性の高さはトップシースンにも劣らず、かくも暑い日が続くのにどうしたんでしょうか、困惑しています。しかし秋の気配もちらほら、ヴィオロンのため息も近かからん事でしょう。                            James Pondはこの週末再開します。

2012年9月15日土曜日

残暑ニモマケズ

初日の本日、この時期としては極めて良好な状態でスタートしました。マス類の活性は高く近年にない初日となりました。思えば今年は主軸のアユ部門が8月末まで活況で、小生の釣場への関心は今月初旬から。さほどの思惑を持たず、リキまず、おごらず、高ぶらずに準備ができた事が成功の要因と考えます。代表選に出馬の議員諸兄、このノリが肝要かもしれませんぞ。                         

2012年9月8日土曜日

9月15日(土) Open

またぞろこの季節が到来いたしました、今期もマス類と釣人の様々なドラマが演出されるであろう事を願いつつの再開です。                                        ご入場料金の変更がございます。時間券  一律1,000円(女性お子様を含みます)。 5時間券 3,500円(♀3,000円)  8時間券 4,500円(♀4,000円)  1日券 5,500円(♀5,000円)                                      営業時間の変更がございます。 日の出~18時とさせていただきます。                                             料金の変更につきましては、養鱒業界の多々な事情に起因しています。生産量の減少に伴う品薄と魚価高等で、釣場経営者様にはその確保が課題の1年になりそうです。利益を減らすか、放流量を減らすか、値上をするか、興味のあるところであります。                                         営業時間の変更につきましては、ただただ経営者の高齢化に準じただけであります。         

2012年7月13日金曜日

Quatorze Juillet(7月14日)

まだ営業しています。池水の状態は冬季よりも良好、朝夕にはマス類の高い活性が見て取れます。                                                  明日はかのフランスの独立記念日、パリ祭なぞと邦訳されていますが、革命に伴う悲劇は少なからず、およそ祭りとはほど遠いと存じます。ともあれ、小生の青春を支配していたフランス、この日だけは焼酎を葡萄酒に変えて、彼の地、彼の日々に想いを馳せる事にしています。こよなく好んだPetit Trianonに続く小径が変わらずにある事を願いつつ。

2012年5月11日金曜日

母なる物

日中初夏の陽気の毎日ですが、早朝と夕方にマス類のざわめきが活況であります。連休に放流した尺ヤマメもツワモノどもの夢の後を満喫している様、華麗なライズが見て取れます。 Trout Hatchery、夏仕様に改修の為しばらく休業します。 母なる物、全ての物事を生み出す根源の意。大地や山川によく形容される慈しみの源と思います。俳人で厳格その物であった父と違い、時折聖書の一節を口ずさむような優しい母が小生は好きでした。いささかマザコンの間は否めませんでしたが、総じて男はかくあるのだろうと存じます。明後日は母の日とやら、Walton Gardenは釣人にとって母なる釣池と成り得る事ができるでしょうか。

2012年5月4日金曜日

尺ヤマメ好調

尺ヤマメの集客効果には脱帽の連休、まさしく「感動」のある所に人は集まるの感。なぜかくも釣人を魅了するのか、神の手による造形は人間の概念美をはるかに超える、その神秘な美しさが釣人の心を揺り動かすのだろうと思います。 さすればF1と呼ばれる異属間交配種のマスなぞは作るべきではない、マス類は釣人の為に生まれてくる訳ではないのであります。

2012年4月25日水曜日

尺ヤマメ放流

さて迎えるは大型連休、最後の山場であります。知恵の悲しみと申すべきか巨大イワナでさえ感動が薄れてきた当池のお客様に、取って置きの尺ヤマメをご用意しております。神奈川丹沢産のブランドヤマメ、桜色の魚体に薄青いパーマーク、図鑑に出てきそうなヤマメその物、美麗さは類を見ません。はたして女王は貴殿の握中に収まるか、May God bless you.

2012年4月20日金曜日

最後の晩餐

様々なドラマを演出してきた巨大イワナ、この週末が今期最後の放流となります。イワナ料理をご堪能したい方どうぞお見逃しなく候。

アユの繁忙期に突入しました、無い頭を小突きながらこのコラムを書いていますが、気力体力そして知力、いささか限界の感。焼酎をアオる時間は確保した上での話でありますが。

川鵜の飛来が減少しました。ヤツらを追い払う為に未明からアルバイトを頼んでいます、余計な経費ではありますが鷹匠よりは安くつきます。鳥類に払う位なら人様にお支払いした方が良かろうと存じます。
小生を含むWaltonとHatcheryの鳥番部隊は飛来するモノに鋭敏であります、対応も俊敏であります。飛翔体を確認するまでに45分の時間は要しません、某大臣の不信任案可決は当然の感。

2012年4月13日金曜日

13日金曜日

釣場の経営者として週末の天気は、某国のミサイルが飛来するか否かより重要な問題であります。明日土曜日の雨予報、今日の金曜日に打ちひしがれているのはご同業だけではなさそうですが。

本日の当池の水温は17℃、養殖池では摂餌活性が最も高い水温域であります。成人の腹八分健康説なぞ無縁のマス類、喉までペレットを詰め込んでいる個体も多くいます、そんなに生き急いで、その結末を知る由もないマス類に悲哀を禁じ得ないこの頃であります。

2012年4月3日火曜日

春嵐

この週末は健全なお天気の予報、安堵しています。欲と道連れに希望が膨らみ、ニジマス、イワナともにやや多めの放流を予定しています。

本日は春の嵐、爆弾低気圧と言うらしい、しかし最近ではあまり驚かなくなりました。地震が起きても、大雨が降っても、消費税が値上がっても、電気料金が値上がっても、抵抗したところで徒労に終わる、好きにしてくれの感。この暴風雨のなか、18時から1時間の釣りをご希望のお客様がご来店、時に身をまかせる、客人も小生と同じ思いか。

Trout Hatcheryの営業上の課題を克服しつつあります。藻類、枯れ始めています。週末には良好に改善されていると予想されます、祈りが届いたの感。川鵜、飛来出来なくなりました。店長以下の不屈の努力が報われました。店主として腰が引かない放流をできる環境になりましたので、普段の週末の2倍のマス類を用意いたします。
同店は荒天の平日に限りお休みとさせていただきます、疑わしき日はWalton Gardenにお問い合わせください。

2012年3月30日金曜日

東京電力御中

明日の土曜日、また雨の予報。いい加減にしてほしいと思いますが、こればかりは怒りの持って行き所がありません。表層のコーホーサーモンや物影の巨大イワナにとっても退屈な土曜日になりそうです。

Trout Hatcheryの1号池はまた藻類が元気に伸びています。池の透明度と日光の仕業、これへの怒りも持って行き所はありません。

来月から放射性セシウムの基準値が引き下げられます。当社も自費で検査依頼いたしました、結果は「検出されず」。やや安堵の感はありますが、なぜ被害者がこれを行わなければいけないのか憤慨しています。
来月から電力料金が値上げとなります。当社もその対象となり、電力に多くを依存しているアユ養殖では生産原価に大きい影響を与えます。本来値下げをして一連の事を謝罪しても良かろうと思いますが、図らずも極めて落胆する事となりました。
上記2点は怒りの持って行く場所があるだけに得心のいかないところであります。

しかし上記は利益を阻害された小生の私憤であり、声高に叫べば叫ぶほどその品格を問われがちなので我慢。
されど加害者の社長が運転手付きの黒塗りの車で闊歩、被害者の避難住民がバスで一時帰宅、逆であるべきである、これに関しては公憤であります。

2012年3月23日金曜日

巨大イワナ釣れてます。

またぞろ雨の土曜日、泣きの雨ではあります。池水の濁りは回復基調、朝夕にコーホーサーモンの活発なライズが確認できます。巨大イワナの思わせぶりな追尾も活況であります、この週末も200尾用意してご来店をお待ちいたします。

新潟県に出向いて来ました、サクラマス釣りで有名な加治川周辺であります。仕事を終え、たまには海沿いも良かろうと人気の宿にカミさんと泊まりました。全室から日本海に沈む夕日を眺望できる事を売りにしている温泉ホテル、平日だというのにかなりの混雑、稼働率の高さに起因する勢いが館内の随所に見て取れるの感。さて、日没の頃、曇っている、カミさんは部屋で、小生は露天風呂で売りの夕日を待つ事しばし、曇ったまま、感動の夕日を望む事無く日が暮れてしまいました。
冗談で客室係の方にその無念を伝えた、冗談で支配人風の方にも伝えた、はからずも両名の対応は同じ、決して無礼ではない笑みを添えながら、残念でしたとなぐさめられて終り。夕日が見れる宿と宣伝していても、晴れていなければ見える訳がない、しごく当然の事であります、宿としてこの事に責任が無い事、後ろめたく無い事を上品に客に伝える、これだ! 当walton Gardenの巨大イワナ、これがこの池に多数存在している事は事実でありますが、その釣果は天候や釣る場所、技量等の要因に左右されます、絶景と巨イワナ、これをはばむのは平素の行いと煩悩と言う事でしょうか。

2012年3月15日木曜日

ウォルトン追分

近頃マス類が低層に集中する傾向にあります。最深部で3.5mになる当池ではマス類の上下移動が激しく、水温の変動が多いこの時期は特に顕著になります、奥深くもあり、むずかしくもあり。
この好ましからざる傾向を打破するために、この週末はコーホーサーモン(銀ザケ)を放流します。コーホーは放流の即効性が高く、表層で激しい捕食活動をします、数釣りには最適な魚種であります。
巨大イワナ、引き続き200尾放流です。

上記の銀ザケ、岩手県より届きました、南三陸町の業者が輸送して参りました、民話の里遠野からであります。「絆」が流行語の昨今ですが、心の絆だけでは復興は成就しない、経済の絆をあわせて伴う事が強く求められる時に来ていると思います。かくなる理由で産地を選びました。

Trout Hatchery、土曜日再開、雨天決行の予定ですが、追加放流につきましてはご来場者数に応じました放流量とさせていただきます。藻類は完全に除去、池水は極めて透明、各池にそれぞれ銀ザケを1,500尾、ニジマスを500尾を金曜日に放流して諸兄のご来店をお待ちしております。WaltonかHatcheryか、岐路であります、追分であります。

2012年3月8日木曜日

No more Hiroshima,no more Fukushima.

春が近い事は間違いないのでしょうが、寒暖差による釣果のブレが気になるところです。これを回避するためには放流量を増加するしかないと考えています。封印されていた本能をムキ出しにする事を他の何よりも優先するであろう魚軍、これを投入する事が賢明と考えます。圧倒的な軍事力で物事を封じ込む米国的な手法を小生は好みませんが、不本意ながらこの週末は平素の1.5倍の放流を予定しています。活況の巨大イワナにつきましては2倍の200尾を放流します。

Trout Hatcheryは施設整備の為、3月16日(金)まで休業します。藻類を除去した上で、マス類を総入替えして17日(土)に再開です。

来る11日は大震災から1年になると言う事で、メディアも多く取り上げ、各地で追悼、支援のイベントが多く行われるようです。大災害の悲劇を風化させてはいけない事は重要ですが、ことさらの催しに小生としては違和感を感じます。昨今の国民が来年のその日までも同じ規模の関心を維持していけるのか、疑問であります。
高校まで過ごした故郷長崎、受難の地である長崎では、毎年原爆が投下された時刻にサイレンが流され、それを合図に全ての市民が1分間の黙とうをささげるのが普通の光景でした。仕事、授業、全て中断、教会の鐘が鳴らされるなか視野に入る全ての老若男女が脱帽して黙とう、幼少から見続けてきた祈りの光景でした。投下から六十余年を経ても続いている祈りであります、14万人余の犠牲を礎に核の危険を警鐘し続けている祈りであるのです。しかしその礎と祈りは軽視され、Fukushimaの悲劇を生む事になってしまった。歴史に反省しない愚かな祖国は、将来にも更なる悲劇を迎える事を危惧します。

長崎の人々は祈り続けて来た、新たな核の悲劇が起こらない事を。
広島の人々は訴え続けて来た、一切の核を排除するべきであると。

2012年2月28日火曜日

マタギを超える

巨大イワナ、想定以上の活況、主客ともに驚愕の日々であります。特にミノーで狙った方には確実の結果が出でいるようです。昨年は尺イワナを存分にご堪能いただいたWalton Gardenでありますが、今年は更なる大型、40㎝を平均として50㎝級も混在します。今を除いては未来永劫に拝めない逸品、この週末も100尾放流します。昨週は放流直後の個体がミノーをまる飲みしたとのご報告がありました、小生としても報われる放流であります。

東北各地に狩猟を業としているマタギと呼ばれる集団が存在する事はご存じだと思います。山を崇拝し獲物に尊敬と感謝を忘れない、自然と共存する独特の信仰に裏付けされた猟を営む集団であります。人間嫌いの小生が敬愛し続け、、彼らが住むという土地を旅したり、家を建て替える時はマタギのシカリの住家風に大きい囲炉裏をきったエントランスにする事を計画したりと、酒が進むとカミさんにもこの話をする事がよくあります。雪渓に登れない、沢を渡れない、鉄砲が撃てない、獣の解体もできない、マタギのマの字もできないくせにであります。ただ彼ら独特の文化やそれを取り巻く風土を敬愛し、文化人類学的な見地で興味を持っているだけでありますが。

ところでそのマタギの人々、初夏等には川で漁も営んでいたとの記述があった事を記憶しています。奥羽山脈の奥の奥、深山幽谷を分け入り、源流が流れ落ちる滝壺の深場で大イワナを釣っていたかもしれません。そんな彼らが当池の巨大イワナを見たら何と言うか、関東平野のトイレ付きの釣場で、車を降りて1分で、普段着で、女性子供同伴もあるような、そんな短絡的な所で、自分達が年に一度出会えるかどうかの2尺にやや欠ける巨大イワナを、きっと彼らが表現するであろう「シロウト」の集団が笑みながら釣っている、嗚呼何と嘆かわしい事か、マタギ達のため息が聞こえてくるような、そんな今日この頃の、恐縮極まりないWalton Gardenであります。

2012年2月23日木曜日

創業の原点

季節は確実に春に近づいているようです。季節の変化に人類よりも鋭敏なマス類はその事をよく知っているよう、極めて高い活性が見て取れます。当池もやや透明度が増し、巨大イワナのチェイスする様子がうかがえます。釣人を嘲笑するかのような、愚弄するかのようなチェイスであるようです。かくなる巨大イワナの放流は当分続きそうです。

昨日秋田県に出向いた帰路に大好きな磐越自動車道を通りました、郡山を過ぎたあたりからの風景が好きなのであります。何度も申し上げるように、東北の郊外には日本の原風景があります。Fukushimaになってしまった福島にも変わらぬ風景が広がっています、向井潤吉画伯が写したような風景が車窓から眺められる自動車道であります。

この様な日本の原風景は子供の頃から好きでした。山と川と水田で構成されるその風景を眺めているだけで心が平安になります。この風景が未来に継続されていく事が、我が国が平和である事を物語るのだろうと考えています。ヤマメやイワナが川に泳いでいる事が、国土が健全である事の象徴とも考えます。思えばこの辺の感覚が創業の原点でありました。開発により河川が汚濁され在来の魚類が生息できなくなって行く、これは止めようもない時代の流れであります。並以下の能力の小生としては、かつてそこらに生息していたであろう魚類を養殖し携わりながら、失われつつある河川環境に警鐘を鳴らしていければと思いました。昔はこの川にヤマメと言う美しい魚がいたんだ、とならない事を願いつつであります。

ヤマメやイワナに対してWalton Gardenのお客様とは違った接点を持つ小生でありますが、主人と客人の不均衡なバランスが当池の一番の特徴であります。

2012年2月16日木曜日

対酒当歌 人生幾何

何故か釣果は上向きであります。季節は確実に春に向かっている事をマス類は知っているのでしょう。巨イワナも程よく釣れて、小生のストレスも完全に払拭されました。この週末も100尾の放流を予定しています。

先月から池入れしたアユ稚魚も順調に育ち、極めてよき日々が続いています。年末に肝機能の数値が高いと医者に指摘されて、やや控えめにしていた酒量も従前に増して来つつあります。小生の主治医は女医であります、芋焼酎の馥郁たる魅力なぞ分かるはずもない女医ごときの言に惑わされる事はない、酒がうまいという事は肝機能が回復している証拠、気分のいい時はたらふく飲むべし。
三国志のヒーロー曹燥も詠んでいるではありませんか、「酒に対してはまさに歌うべし 人生いくばくぞ」と。

2012年2月9日木曜日

幻の巨大イワナを喰う

巨イワナの放流は様々なドラマを演出しているようです。お1人で4匹も釣り驚嘆あいまって買ったばかりの6万円のリールを踏んで壊した方、晩酌には巨イワナの刺身と決め込んで意気揚々とご来店なさり意気消沈で帰宅された方等。先週放流した100尾は知る限り20尾程度しか釣られていない様、まだ多くが残存しています。警戒心の強いニッコウイワナ、それも50㎝超となると猜疑心に満ち溢れた個体群のはず、しかし放流後1週間を経て居心地のいい付き場に陣取り、貴殿の投げ放ったルアーの真贋を虎視眈々と見極めているはずです。
明日(金曜日)に更なる100尾を営業中に放流します。先週は金曜日の閉店後に放流したためその現場をお客様にご確認していただく事ができず、こちらはお客様の猜疑心を助長する事になりがちと判断したためです。

前述のように、イワナの刺身を食す事がご希望のお客様が多くいらっしゃる様です。十分な量をご提供しているとは言え釣果が不幸に終わる事も考えられます、そのためこの週末はストック池に備蓄している群を1尾500円の破格で販売します。魚を得る手段によって魚の本質は変わりません、是非ともご賞味下さい。酒肴としての食し方、店頭にて小生がご伝授いたします。

2012年1月31日火曜日

巨イワナ放流月間

秘蔵の巨イワナ群、2月は特別放流月間とし、今週末より始めます。最大級の個体は50㎝超、驚愕の、驚嘆の、3年魚、当池以外では絶対に拝めないイワナであります。通常イワナは2年魚になりますと成長曲線の下落が顕著になり、養殖池の生産性が落ちてきます。その為親魚候補以外は1年魚で出荷する事が経済上有利になってきます。1年で塩焼きサイズまで育ててさっさと売り飛ばす、これを毎年繰り返す事で生産性が上がり利益に貢献するという構図です。今回の3年魚、経済的な使命には答える事はかないませんでしたが、釣人の本望には十分答える事ができるはずです。釣り上げる事ができたお客様には、ネットの中のイワナに対しその当たりの労をねぎらっていただければ幸いです。ちなみに1尾の生産原価は、当所の5時間券相当と相成ります。

池水も安定し、放流効果も顕著で、冬季としては良好な状態にあります。本コラムの小生のネガティブな描写につきまして、聡明な諸兄におかれてはその行間をお読み取り頂きたくお願い申しあげます。

最近このコラムを書く事をためらいがちになっています。もともとこの作業に割く時間は30分程度と決めていましたが、読み古して自分の稚拙な文章に赤面してしまった事にあります。きっかけは、当池の事を記述した人様のブログを何とも無しに読んだ事にあります。その多くが子供の絵日記の様、脈絡に欠け抑揚のない文章に写真が貼り付けてあるだけ。この程度のものを周知せしめる方の見識が嘆かわしく思われ、ひるがえって小生のブログも賢者には笑止な拙文の印象を与えているであろうと恥じ入り、放流Menuを躊躇するようになったわけです。しかし更新されていないホームページは営業上好ましい事ではないため、無い頭を小突きながらでも書かざるを得ません。諸兄におかれては、所詮魚屋の書き記す事、中身の程はご容赦賜りたくお願い申し上げます。

2012年1月15日日曜日

「あっしにはかかわりのねえこって」

年末来の寒さで放流効果が顕著にならず、心労多き日々が続いております。放流作業中も、背後にお客様の無言のため息を感じる事もあります。当方といたしましては、原価を投入する事でその義務は果たした、その後の釣果はその時の気象やお客様の技量にゆだねられると申し上げたいのですが、なかなかそうも申し上げられない事の心労が蓄積されすぎた感があります。

そこで表題の事、渡世人である木枯し紋次郎の名せりふであります。翻訳家が英訳すると「It isn't my business.」とでもなるのでしょう。それであります、放流の後に釣れるか否か、それは小生にはかかわりのない事、小生の仕事ではない事、この事を皆様に明言しておく事で心の平安を取り戻そうと考えています。

その手法として、来週から木枯し紋次郎のいで立ちで放流する、いかがでしょうか。三度笠にかっぱをはおり、長いようじを咥えながら放流する。そのかっぱの背中には大きく表題のせりふが書いてある、ばかの上塗りは承知の上で。

2012年1月12日木曜日

中年は荒野をめざす(旅の宿から)

さらばウォルトンと言う事で、年末年始で疲弊した心身に平安を取り戻すため一人で旅に出ています。山形は赤倉温泉、なじみの旅館でありますが、何と昨日からこの冬一番の寒波、大地は白銀。出迎えたおカミのあきれ顔をよそに、小生は満面の笑み、平素とは違う別世界に身をゆだねる事が目的と息吹く。しかし関東平野で温められていた老体には酷な外気、館外は危険と判断、浴衣に紺色のドテラをひっかけ、手ぬぐいをぶら下げて風呂へ、芭蕉も立ち寄ったと言う名湯を浴びる、折りたたんだ手ぬぐいを頭に乗せて露天風呂へ、普段の無天風呂とは別物、オヤジの至福の時、しかし心中は早や夕食に有りと足早に部屋へ。

人一倍人間嫌いの小生は、旅館においては必ず部屋食と決めている。「お夕食は○×の間でご用意しております」なぞと合理化を隠ぺいした慇懃無礼な旅館には絶対に泊まらない。隣のヤツラが不快に感じるのであります。先附の前に煮物を食べるやつも気になるし、稚拙な内容の会話も耳触りだし、騒々しい子供がいる事もあるし、それを叱らない親なぞを見かけると血圧が高くなる。かくして今夜は一人で雪見酒、何も言わずとも好みのビールが添えてあるし、いい頃あいで熱燗が運ばれてくる、抜群のタイミングと言うより人嫌いの小生を仲居さん達は避けているのだろうと推測する。

酒が進み浴衣がだらしなくなって来るのと反比例して心身はフツフツと燃え上ってくる、細胞のヒダの隙間まで入り込んだ美酒は明日への活力を導いてくれるはず、希望多きはずの未来に乾杯をしなければいけない、今夜はここまで、さてフロントに電話、「熱いヤツもう一本」。