2011年12月29日木曜日

Deep Impact

ディープ インパクト(深い衝撃)、かの名馬の記憶は新しいところですが、深くて感動的な衝撃を人に与えるのは競走馬に限っての事では無いようです。60㎝超の山形県産ニジマス、去る連休も多くのご来場者様に衝撃を与える事が出来たようです。ドナルドソンでもなくヤシオマス(全雌3倍体)でもない、通常卵から孵化した普通のニジマスであります。他と違う点は、その飼育環境にあります。通年7℃の鳥海山の湧水で、極めて薄い飼育密度で3年をかけてはぐくまれた群であります。各ヒレは養殖魚にありがちな欠損が無く、極めて高い体高とともに強烈なトルクの要因となっています。

魚類でさえ後天的な要因でかくも見事に成長するもの、小生も氏素性を嘆かず切磋琢磨が必要だと感じます、相当手遅れの感もありますが。

この年末年始はかくなる山形産を、ご来場者5名様につき1匹の比率で放流します。過去の割引券等のご進呈はありません。あの魚体を釣り上げて、なおかつ割引券と言う事に違和感を感じるようになりましたので、この年末年始は王道で行く、そう決めました。

2号店ともども年末年始に休業日はありません。2号店は大晦日に些少のサービスを予定しています、詳しくは2号店の放流メニューをご覧ください。

2011年12月20日火曜日

四天王を制す

この週末の特別企画をご案内いたします。日本のクリスマス論に関して多々憤慨多き小生ですが、ここは俗に言うクリスマス セールと言う事で、当池のメインポンドで3日間限定の以下を企画たしました。是非ともチャレンジしていただきたく、マス類共々お待ち申し上げます。Trout Hatcheryでは別企画がございます、ご参照ください。
時節がら♪諸人こぞりて、となりますやら。

以下の4魚種を、この3日間ですべて釣り上げた方に金10,000円の金券(2,000円×5枚)をご進呈します。
1.山形県産大型ニジマス(50㎝ over)。赤褐色の美しい魚体が特徴。
2.尺ヤマメ。丹沢は八丁ヤマメセンター産、元獣医の養魚家が作出したブランド ヤマメ。
3.ブラウン トラウト。丹沢産。茶色い魚体に織りなす朱点、ネイティブと見まごう逸品。
4.ブルック トラウト。背中が盛り上がった(♂)カラフトマスを思わせる魚体、誰しも見た事がないはず。

魚種の選定にあたってジャガー等のF1を除外しました。自然界に生息する種だけで行く、神が作りたもうた種だけで行こうと今回は考えました。

これらは3日間の内に釣って頂ければ結構です、一度釣った魚種はカードに記録します、後は残りの魚種を狙うだけ。(例。金曜日に山形産と尺ヤマメ、日曜日にブラウンとブルック。これでOK。) フェアーではない釣り方、釣人としての品格が欠落した釣り方はご遠慮下さい、罰金1億円を申し受けます。なお金券の有効期限はありません。

年末年始に向けて当池では放流魚種が多彩になってきますので、いささかのお持帰り制限をさせていただきたく存じます。1時間当たり3尾でお願いします。

2011年12月13日火曜日

「泣けとごとくに」

宮城県南三陸町産のニジマスを放流しています、即効性が高くよく釣れます。彼の地で仕入れた群を、Walton Gardenの釣池の水で一週間程飼育してから出しています。低水温や濁水に慣れた群が、当池の水に馴馳された事でよい結果になっていると考えます。

そのニジマスを仕入れに南三陸町へカミさんと出かけた。湾の奥に位置する町の中心部は、文言で表せないほど悲哀に満ち満ちていた。態度には出せなかったが、心の中で手を合わせ、車窓から犠牲者の冥福を祈った。誰しもがそうするであろう光景であった。
夕暮れの北上川を渡って帰路についた。この川を逆流した津波で多くの児童が亡くなった小学校の悲劇が思い出された。「一握の砂」に「北上の岸辺目に見ゆ、泣けとごとくに」と言う有名な歌がある、啄木の歌意とは違う事は承知しながらも、この「泣けとごとくに」と言う言葉が何度も込み上げて来る、切ない帰路であった。

2011年12月6日火曜日

栄枯盛衰

昨日曜日に放流した小型ニジマスは抜群の活躍でした。単にニジマスと言っても様々な飼育履歴があり、その特性は多様であります。また、受け入れる釣池側の環境によってもその特性は大きく左右されます。自分の釣池に合ったマス類を調達する、釣場経営には極めて重要な要件であります。

ほとんどの管理釣場ご愛好者が、それをゲーム フィッシングとして位置付けなさっていると存じます。そのゲームのツールとしてロッドやルアー類が釣具業界から過多と思える質量が供給され続けています。換言すればヘッポコ釣師でも、それらを武装することでより簡単にマス類を射止める事が成就する構図になりつつあります。さて、ゲームなる物の魅力を考慮すると、より難易度の高いミッションをいかにスマートに成功させるか、ここが醍醐味と言えます。そうであれば、マス類を生産、供給する側の業界は釣りにくいマス類を育種する事が本来求められるべきであります。最新のルアーを嘲笑しながら悠然と泳ぐニジマス、釣場やマス類に逃場を求められない立場で魚と対峙する釣人、このバランスが肝要であるべきと内心思っているのですが、釣場経営の身上として不適切な発言は許容されません。

多すぎる釣場数、性能が高いとやらの道具、過剰に放流されるウブなマス類、ご愛好家にはよりよい環境となりつつありますが、管理釣場なる業界がこのまま未来に継続するとは考えにくくあります。