2014年12月22日月曜日

パンとトラウト

年末年始の為に放流量を増やしています。釣池の魚影を濃くし、諸兄にご堪能いただくためであります。彼の人は経済を、小生は釣果の好循環を目指している分けですが、いづれも日暮れて道なお遠しの感。

明日の祝日は先着30名様に、恒例の粗品をご用意しています。イタリア産のPanettone(パネットーネ)、イタリアではクリスマに馴染み深いパンであります。
そのクリスマス、巷では以前に比べて最近あまり騒がなくなったように思います。信仰に裏付けされていない事の不整合に違和感を持つ人々が増えたからではないでしょうか、好ましい傾向だと考えます。

2014年12月12日金曜日

出口調査

コーホー サーモンの放流は本週末が最後となります、お帰り際のお客様方にお聞きした感じではまずまずの活躍だったようです。お世話になりました、岩手の生産者共々お礼申し上げます。

聞いてくれとも言わないのに民意を問われ、どうでもいいのに離合集散し、浮足立ったり、あぶら汗かいたりの彼の集団、この師走にきて何ともの感。

2014年12月5日金曜日

ギンザケ放流継続中

先週末から放流のコーホー サーモン(ギンザケ)は大好評、引続き今週も放流します。主役を奪われた感の50㎝級のニジマス達も、水面の喧騒に誘われて捕食活性が上がってきているようです。

寒波が週末に到来との事、防寒をご考慮のうえご来店下さい。上記コーホー達の育った所、岩手県の山間部はすでに積雪しているそうであります。釣る事ができたお客様には、彼らの故郷、白銀の奥羽山脈の奥山の情景を彼らに重ねて、その悲運を偲んでいただければ幸いです。

2014年11月26日水曜日

コーホー サーモン レクイエム

コーホー サーモン、ギンザケであります、これを約7,000尾用意しました、週末に放流します。

岩手県の知人が当地へ運んで来ますが、これにはこの養魚場の悲痛な思いが込められています。養魚場が位置するのは山間部、最後の集落から車で30分程奥まった所にあり、冬季は除雪も入らず通行不能になる場所、管理にはスノー モービルで行き来するとの事。その雪が降る前に残ったギンザケを少しでも搬出するべく、魚価を問わず売りたいと小社に打診して来た次第です。生活排水が一切混入しない河川水で卓抜した養魚環境を得た代償だと、からかいながら2トン程引受けることとしました。その彼らが孵化してから今日まで水面を通して仰いでいたものは、木々と星くらいだったでしょう、それがトラックに乗せられて、遠くに運ばれて、有料釣場で疑似餌に翻弄され、都会人の精神的圧迫を解消する標的となる、この事を演出する小生は悲哀の思いでいっぱいであります。

主よ、傷付きしコーホー達を癒し給へ。罪深き小生を許し給へ。

2014年11月21日金曜日

♪わかってください

この週末は好天予報の3連休、釣人達が遠出をする傾向があります。当店の過去に鑑がみると、ご来場者の混雑は軽度であります。マス類は混雑しているのに釣人は少ない、近場で釣りでもとお考えの諸兄には好機と存じます。そう言う出不精な方々に最大60㎝の個体群をご用意しておきました、晩秋のWalton Gardenでご堪能いただきたいと存じます。

もうすぐ12月、管理釣場も最盛期を迎え業界が活気付きます、そしてかの集団も。常在戦場なぞと長岡藩の家訓を引用して我が身の苦悩を嘯く、志願したのではなかったのですか。辺野古はダメ、10%への引上げはイヤだ、最終処分地はコマる、そう申し上げているのですが聞こえませんか。

2014年11月14日金曜日

涙の放流

この週末は極めて不本意な放流を行わざるをえません。先般から申し上げているように、アユ養殖のオフシーズンであるこの時期に心身の平安を取り戻すべく、週1回の温泉旅行を企てています。先日も秘湯に泊まろうと、養殖池の点検もほどほどに出かけることとなった。22池ある養殖池の、とある池の前、養殖機材のモーターに微かな異音を感じた。小生のはやる心は障害を楽観的に考える思考へと変じてしまっていた。

翌日の夜帰ってみたら、嗚呼何と。この先は申し上げるに及びません。湯煙りを背に美酒に酔いどれていた間に事は起きていたのであります。意気消沈し我が身の愚かさを嘆く事しばし、心身に良しと決め及んだ愚行が新たな苦痛の種となってしまった。当分この池の前を通るたびにこの悪夢を思い出すのは平安を乱すと考え、生き残った群を消し去る事にしました、約500㎏かなりの量です、多すぎるのは承知、利益は先で取り戻す、そう言い聞かせながら行き先は釣池、最善の解決策と得心。

不在の時に限ってトラブルが起きるというのはよくある事、外遊中の総理にもこの事を連絡してあげたほうがよろしかろう。

2014年11月7日金曜日

マス類の品格

去る連休の多量放流はまずまずの成果をあげ安堵いたしております。特に40㎝級の個体群は、その体高から振り出すトルクに高いご評価を賜りました。

感動の無い所に人は集まらない、小生の釣場経営の理念であります。その為に成すべき事は多々ありますが、まずはマス類の品格にこだわる事であります。誰が見ても良質の魚だと感嘆するものでなければならないし、マス類であると言う点では合格しても、凡常な魚は放流しない、精悍さか強さや美しさか、何か人の心を打ってくるもののない魚は放流しない。人間にも人格の高下があるように、魚にもそれがある。人格ならぬ魚格のある魚でなければ当Walton Gardenには放流しないのであります。

2014年10月29日水曜日

3連休大放流! 

いよいよ11月を迎えます、朝夕の冷え込みもよろしき感、今期の企画第一弾をご案内します。
ターンオーバー等の池水のトラブルも生じにくい時節となりましたので、釣池の魚影を濃くしようと思い、養殖業のメンツとミエを背負って1日300㎏の大小のニジマスをこの連休に用意しました。釣れるか否か、受け手様のご技量による所は多大であります。

今回の放流魚群には、生エサを与え続けた群が多く混じっています。その生エサの正体はアユであります。半端に残った20㎝程度のアユを40㎝級のニジマスに与えてみました。初日はアユが大きすぎて戸惑った様子がありましたが2日目に大きな変化が。顔が違う、目付きが違う、飼いならされた養殖魚とは思えない研ぎ澄まされた眼、小生にはそう映りました。乾燥したペレットしか食べた事のない連中にしてみれば官能の捕食であったに違いない、センベイとレアなステーキ程の差があるはず、ドテッ腹に喰らい付き、横取りに来る仲間を尾びれで蹴散らし、勝ち誇った様に泳ぎながら咥え直して頭部から飲み込む、マスがマスである事を自覚した瞬間であります。野生を取り戻したヤツラの釣池での活躍はどうであろうか、動物学者アドルフ ポルトマン曰く「動物の行動は環境によって拘束され、本能により保証されている。」

春先にはニジマスを軽視したアユ養殖を行っていましたが、時節が変わればアユにだって過酷な運命が待っていた訳であります。諸行無情、盛者必衰のコトワリの感。

2014年10月23日木曜日

ライトリッツを超えて

台風達も去りいよいよ秋本番の感、マス類の管理釣場にも良き時節の到来であります。
当店は先月中旬に今期の再開をいたしましたが、春先からの過酷なアユ養殖で心身に疲弊をした小生には、このコラムを更新する余力が不足していました。しかし約1ヵ月の充電期間を経てやっと平安を取り戻し、これからのトップ シーズンに向けて意欲に満ち溢れています、からまわりをしない様にと怪訝な家人をよそにであります。

ニジマス養殖の入門書の給餌作業の編に必ず出てくる表があります。最も効率のよいエサの与え方を記した表で、縦軸に飼育水温、横軸に平均魚体重、交わった所に給餌量を百分率で示しています。例えば水温10℃で飼育している約100gの魚体にはその3%のドライペレットを与えよと述べ、ライトリッツの給餌率表と呼ばれています。それはバイブル的な表であり、多くの養殖業者がこれを基本に給餌しており、数値化されたニジマスの完全養殖の規範であります。
今期すでに当店にご来店のお客様にはご体験の事と存じますが、メインポンドに放流している約40㎝のニジマス、極めて高い体高が特徴であります。尋常ではないトルク、ネイティブをヒットした感があると好評をいただいています。この群は当店に隣接する当社の養殖場で小生が発眼卵から飼育した群であり、パワーの根源は上記給餌率表を無視した給餌に始まります。それは数値を無視した飽食給餌、喉もとまでペレットを詰め込んだ感の与え方で、隔日で行います。そして水車による水流の強化、通常の飼育では飼料効率を高めるためになるべく水流を抑制し、運動量を減らす事に傾注します。ここではその逆を行ってみました、魚粉配合率が高い高タンパクの餌を飽食させ激しい運動をさせる、経済的には無駄ばかりの飼育でありますが、仕上がった魚体は釣人のみならず業者をもってしても得心していただける事と思っています。真贋の程はWalton Garden メインポンドにて。

業界では生産物の不足が危機的な状態にあります、ニジマスが足りないのです。各釣場様も品薄、魚価高に困惑されているはずです。小生もライトリッツに従って並のニジマスの生産に特化すればウハウハの事となるのですが、釣場の主役であるニジマスの質にはあえてこだわって行きたいと考えています、ある業界とは違ってウチワやワインごときではごまかしが効かない業界であります。

2014年9月9日火曜日

9月13日(土)オープン

秋めいてきました、アユ商戦が終わったと思ったら、またぞろこの季節の到来です、いやはやの感。

出だしのマス類は大きめです(当店比)。
池水は現在のところ極めて透明です。

1時間券の販売は午後1時からと今期より変更させていただきます。午前中は5時間券超の釣券でのご入場しかできませんので、ご注意ください。

2014年7月21日月曜日

天下無類の釣場をめざして

明日より夏季休業とさせていただきます、期間中のご愛顧には厚くお礼申し上げます。
再開は9月13日(土)を予定しています。来季はマス類、施設に変化を付けまして諸兄のご来場をお待ちいたします。

春から、寝ても覚めてもアユ一色の毎日が続いておりますが、夕刻の酒宴だけは欠かす事ができません。ビールで喉を潤した後はイモ焼酎の水割りが最近の定番、「宝山」なるを愛飲。過日その一升瓶のラベルにふと目を落とすと、最上部に「天下無類之焼酎」と書いてある。良き言い回しである、天下に逸品と自賛はせず、しかし天下に類を見ないのだと自負する、男子の生涯はかくあるべしと得心。

2014年4月11日金曜日

アユ走る、4月。

またぞろのアユ商戦が始まり、極めて多忙な毎日であります。Walton Gardenへはマス類の放流の時しか行けませんが、諸兄には営業上の失礼の段がございましたらばお詫び申し上げます。かくなる訳でやや多めの放流を予定しています、「やや」でごさいますので過敏なるご反応はご遠慮下さい。

この手の話は去る大放流の時に懲りたはず、つつしむべきではあります。絶対の自信を持ったあの放流量でも、あまり釣れなかったとのご意見があり、強烈なストレスになりました。まあいいか、釣場経営の極意は右手にガマン、左手にソロバン、そして背中にロマンであると悟り、Walton店主は明日も行く、のであります。

2014年3月20日木曜日

夢の跡

この連休は普段の放流量に戻ります。先々週から当店で高い釣果を得て、腕が上がったとご慢心のお客様はご注意が必要です、放流数量が多かった事だけが理由と推察いたしす。

従って異常な混雑は回避でると予測されます。平素からご愛顧を賜っているお客様には絶好の機会と存じます、尺ヤマメと尺イワナを増量してお待ち申し上げます。どれくらいの増量かは申し上げられません、もうコリゴリの感。なおヤマメとイワナの放流は今期最終となります。

2014年3月13日木曜日

読まないで下さい。

今回は小声でそっとご案内します、「この週末も800㎏の放流をします」。
先週のバーゲン放流は、土曜の午後以外はあまり良好ではありませんでした。従って控えめなご案内となります。

当池では普段の週末も400㎏程度の放流は行っています。過剰な宣伝でご来場者が増え、増量して放流した分はその混雑に吸収された事が、高い釣果をご提供できなかった理由の一つと考えます。また、去る両日の朝は冷え込んで水温が低下した事も考えられます。しかし、よく釣れたとお申し出のお客様も多数いらっしゃいました、よく分かりません。

理由の解明が進まないまま、こりずに最大量の放流をします。救いがたきの感はありますが、原発事故の原因解明もできないのに、事故後の処理も進まないのに、未だ13万人が避難していると言うのに原発稼働を再開する国策があります。頭の良い人達が考えた結果の事でしょうから、小生もそれにならう事としました。

どうぞ多数のご来場はご遠慮ください。適正な普段の来場者数においてこそ800㎏のマス類が際立つわけです。
先週の放流Menuで、後続のアユを100尾とご案内しました、100万尾の誤りでした。満を持して書いたつもりだったのですが、お詫びして訂正いたします。

2014年3月5日水曜日

過去最大の放流

お魚が余って困っています、当所で養殖しているニジマスの事。2週続いた荒天の影響で自家使用、販売ともに減少し、取上げ予定だった2池の在庫が後続の100尾超のアユの行場を妨げてます。そこで飼育上のトラブルを回避するため、原価を無視した放流をこの週末に予定しています。2日間で約800㎏、営業期の追加放流としては過去最大量、9月のオープン時にも逼迫する量であります。放流時刻は土日ともに8時と13時の2回、ヤマメとイワナも当然放流。この放流をもって5時間券で10尾以上釣れなかったお客様におかれては、トラウト フィッシングを続ける事を断念なさる事をお勧めします。

表向きにはお客様感謝祭として、本音は不良在庫処分、今週末は養殖業として高額のアユを優先する冷酷でしたたかな小生の思惑も放たれる事となります。

2014年2月11日火曜日

♪追いかけて雪国

ヤマメとイワナの放流継続中です。昨日今日の雪模様、それにかかわらず多数のご来場ありがとうございます。当池の周りはかなりの積雪、真っ白なWalton Gardenでヤマメを釣る、雪渓でそれを釣るがごとくの趣、多数のお客様にご堪能いただけた事と存じます。

アユの稚魚の仕入れの為に数回秋田に出かけた。白銀の秋田県北部、色が無かった、白と黒のモノトーンの世界に身をゆだねながら目指すは宿。途中の道で見かけたある案内板、「妖精の森」とある、停車してしばしの想いにふける。50数年生きてきて、この妖精という単語を幾度使ったか、記憶にはない。幼少の頃おとぎ話や絵本の中で神秘な彼らに感動した事はかすかに憶えている、加齢とともにそう言う感性を捨てながら生きてきたのだと思う。
諸兄におかれても、踊る心と竿を背中に自転車に乗って、魚釣りに行かれた事でしょう。純真な少年の魅惑の釣行であったはず。時が過ぎて今や金員で獲物を担保し、米国的な手法で釣りを楽しむ、少し寂しき感があります。

少年の心のままでは困りますが、そう言う部分を適度に保ちながら生きていければと、秋田の旅が教えてくれた。
「おとなは皆、最初は子供だった」 サン テグジュペリ

2014年1月16日木曜日

ラフマニロフを聞きながら

毎日寒い日が続きます、ご自愛下さい。

正月の、とある夕刻、閉店後のWalton Gardenである。場内の灰皿を掃除しようと半周ほど回ったある灰皿、吸いがらと空缶の間に首をのぞかせた小瓶が1本、Vodkaと書かれてある、ポッカではない、ウオッカだ!冷える体をこいつで温める、当然帰路に運転はしておられないだろうが、なかなか粋な方であると思った。イヤホンで音楽なぞお聞きであったなら、それはチャイコフスキーではなくきっとラフマニロフだっただろうなぞと後半の半周で想像した。

ロシアとイヤホン、強烈な思い出がある。この稼業駆け出しの頃、宮内庁ご用達の築地の仲買から、宮中晩餐に提供する料理の前菜としてアマゴの稚魚の注文があった。古くより京懐石では好まれていたが、関東圏としてはヤマメの方がふさわしいのではないかと提案し、その稚魚を納品した、パーマークが美しいトビキリのヤツだった事を記憶している。来賓はゴルバチョフ大統領だった。未熟な小生は、その仲買の担当者に、このヤマメというマス類は日本に固有に生息する種である事、伴う食文化や漁業も古来より根付いている事を献立表に盛り込んだらどうかと進言した。日ソ間でサケマス漁業交渉が盛んな時代だった。

願いは届かず次の朝、ライサ夫人が築地市場を訪れる事を知り、当然出向いた。夫人から数メートルの距離にいた小生は屈強な男達の鋭い視線を強く感じる事となる、夫人の警護をするSPである。ヤツらはKGBなのか、冷戦時代を象徴するKGBの猛者、彼らの耳にもイヤホンがあった。

そんな関係のヤマメと小生、釣人の及ばない関係であります。小生にとってそんなヤマメ、今週末もたっぷりとご用意しております、イヤホンを付けてご来店ください。

2014年1月9日木曜日

清流を食す

正月の喧騒が終わったら、またぞろ連休。マス類の心の平安は遠のくばかりであります。

年末年始は混雑が予想されましたので、質より量を重視した放流になりました。期間中にヤマメやイワナをご所望でご来店のお客様には失礼を申し上げました。さすればこの連休、普段の週末に戻った営業となりそうなので、尺越えのヤマメとイワナを存分に放流したいと存じます。

冷え込みの予報が出ています。釣場で冷えた身を熱い風呂で癒し、湯上がりにヤマメの塩焼きとイワナの刺身で一杯、締めはイワナのアラ汁、至福の晩餐をWalton Gardenが演出させていただきます。