2011年3月1日火曜日

おにぎりの愚

お待たせいたしました、大型魚をご用意させていただきました。釣人には仰天の大物であります、しかしその仰天すべき大物、まさに天を仰ぐがごとくの大物の正体は、ご来店の方だけが知り得る事といたします。架電にてのお問い合わせは平にご容赦ください。
池中在庫が猛烈な勢いで増加しています、当分の間お持帰り尾数は30尾までといたします。

またぞろアユの仕入れで山口県に行って参りました。今回は無事な航海である事を祈りながらの出発、他の業務に追われて遅れめの出発、昼飯は車中でと決めコンビニのおにぎり2個を携えての出発となりました。買い込んだおにぎりは「鶏飯」と「サケのハラス」なるもの、軽快な道中でさてメシの時間、そこから悪夢のごとき時間が過ぎて行く事となります。
最初にほおばったのは「鶏飯」、こいつが何と一口かぶりついた時点で、残りがバラバラになって落下してしまいました。嗚呼、何たる事。消沈しながら原因を検討した。「鶏飯」はご飯一粒一粒が醤油タレの被膜に包まれ、その被膜が飯粒どうしの粘着性を阻害しているのだと憤慨した。片手で食べるには危険を要すと結論。
次に食らい付いたのが「サケのハラス」、気を取り直して一口、くずれない、おにぎりたるものかくあるべしと得心した次の瞬間、道路の段差。空荷のトラックは段差を正直に吸収してしまいます、そのショックで当おにぎりの最中央部に埋設してあるサケが、本体から離脱して落下、アクセルペダルの横に鎮座してしまいました。原因は、このサケは南米チリから輸入された銀ザケに相違ない、脂質の高いその魚肉の中でも最も脂の多いハラスの部分、その表面に浮き出た脂分が飯粒との結合を、これまた阻害しているのだと分かった。
かくして結局胃袋に収まったのは、一口の鶏飯と、これもまた一口の具の無いおにぎり。途方に暮れた道中でした。