2011年6月22日水曜日

You need knives and forks.

日中はスプーンへの反応がきびしいようですが、まだ行けそうです。池水の透明度は依然として高く、フライの方はドライでお楽しみいただいているようです。
小生としてはすこぶる良好とは言えない釣果の中で、営業を継続する事に罪悪感に似たタメライを感じます。そこでこの土曜日、トップシーズンの1日量をはるかに超える魚群を放流する予定です。午前9時半頃に行います。初夏営業の試金石、これで釣れればしばらく営業継続です。当方といたしましては、十分な原価をご提供する事でその責を果たし、釣果につきましては様気、釣技の事情によるものと傍観する事ができると言う訳です。シーズン終盤に来て放流を軽減し営業しているご同業の多い中で、小生の小心さを露呈するこの大量放流、またぞろ利益を圧縮する要因となりそうです。某電力会社のごとくの厚顔さを学ばなければ、当池には未来永劫利益は望めないのであります。

南三陸町産ギンザケの幼魚の状態は回復基調にあります。摂餌活性も高くなり瘦せ細っていた魚体も回復しつつあります。小生としても思い込みが強い魚群となり、当池に収容されたオマエタチはもう安全なのだ、怯えたり苦しんだりする必要はもう無いのだ、必ず守ってあげるから安心して成長してくれ、と毎日願っています。

このギンザケを当方に避難させて来た同業者の談。彼の家は奇跡的に自宅が津波に流されなかった、家族も全員無事だった、それが周囲の方々に許容されず、近隣で浮いた存在になってしまった。悲しみを共有できない存在と無視される事もある、この事がこの震災で一番つらい事だ。何とも申し上げる言葉もありません。